岩 崎 元 郎 の


「知恵」


 4月の知恵 積極的休憩
 


「いっぽーん」と、リーダーから声がかかる。いっぽんとは、登山用語で休憩のことである。「一本立てる」という言葉の省略形だ。昔、ボッカさんたちは、重い荷物を背負子で背負って山道を越えた。休憩時に背負子を下ろしてしまうと、荷物が重いので背負って立ち上がるのが大変だった。ボッカさんたちは立ったまま、背負子の下の桟に杖の先端をあてがい、その一本の杖に荷重を預けて休憩したのである。そこから休憩のことを、「一本立てる」というようになった、そうだ。

 登山口から歩き始める。最初の一本は、30分くらい歩いたらいいと思う。暑い寒いがあるから、まず衣服の調整。暑ければ脱ぐ、寒ければ着る。最初の休憩では、他に靴ヒモの結び具合、ザックの背負い具合なども調整しておく。二回目からの一本は、ぼくの場合、50分歩いて10分休憩している。もちろん、なにがなんでもそうなんではなく、景色がいいとか、休憩にいい場所があれば、50分歩いていなくても休憩することもあるし、場所が悪ければ、いい休憩場所があるまで歩き続けることもある。

 休憩だからといって、べたっと座り込んだりすると気が緩んで、かえって疲れたりもする。ぼくは、積極的休憩と呼んでいるが、背伸びをしたり、太ももやふくらはぎのストレッチをやってやるなどしてやると、休憩が終わって歩き始めるときが軽快でいられる。

 毎回である必要はないが、積極的休憩を試みて欲しい。



   


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