岩 崎 元 郎 の


 


東京都
天祖山 高水三山 日ノ出山    
       
      
   
奥多摩・天祖山
photos by M. Iwasaki

天祖山登山口

急登を終え足が軽くなった

天祖山頂上

ツェルトを張る

三峰神社


 2010年9月11日(土)〜12日(日)


 奥多摩、日原川左岸に位置する標高1,723.2mの山。「ぼくのふるさと八百名山」、東京都から選ぶ17山の内の1山。登られる山にも流行りすたりがあるようだ。三頭山、御前山、大岳山といういわゆる奥多摩三山や川乗山などに比し人気が低いように思われる。東京の奥座敷とか言われる奥多摩にあっても、さらに奥まっているためかも知れない。地味な山ではあるが、ぼくにとっては懐かしの山である。


 昭和36年のゴールデンウィーク、ぼくはクラスメイトのK君を誘って、入川谷を遡って川乗山に立ち、長沢背稜を長駆雲取山まで縦走する計画を考えた。高校2年、16歳の登山初心者が考えたデッカイ計画である。入川谷は、高1の時、担任の先生が飯盒炊爨に連れて行ってくれた多摩川の支流ということで馴染みがあり、たまたま購入したガイドブック『奥多摩』に、初心者向きと紹介されていたのが、プランニングの発端である。


 足ごしらえは、キャラバンシューズ。入川谷の遡行が始まるや、緊張の連続。喉がカラッカラ、どこでどうしたか記憶はまったくない。舟井戸に抜け、そこに建っていた営林署の作業小屋に転がり込んだ時は、助かったという気分だった。長沢背稜を雲取山まで縦走なんて、とんでもない話だと思った。どうしよう…。折よく小屋の中に早稲田の学生さん、ぼくらにとってはお兄さんが5人いた。

「どこに行くんだい」と、声かけられた。

「一応、目標は雲取山です」

「凄いじゃん」

「お兄さんたちは、どちらですか」


「天祖山だよ」

 地獄に仏とはこのことだ。すかさずぼくはお願いした。

「連れて行って下さい」


「雲取山には行かないよ」

「いいです」

 かくてぼくは、天祖山に登ったのだった。天祖山から芋ノ木ドッケの間に朱線を引くことは宿題として残った。そのうちやってやろうと思っている内に49年が経過した。

 ヤマケイカルチャークラブと共催している安心登山者養成講座8月の机上、「営業小屋以外の宿泊法」の実技編として9月、テントやツェルトに泊まってみるということで、天祖山が教室に選ばれた。おかげで49年ぶりに天祖山に登ることができ、芋ノ木ドッケへと朱線を引くことができた。

 奥多摩駅前から東日原行きのバスは、臨時が出て2台。奥多摩の人気を再確認させられた。


 バス停から林道を1時間歩くと、天祖山の登り口。いきなりの急登だ。テント、食糧、水場がないので水4リットル、背中が重い。急登を登り切って一息。緑の林相がいい。15時35分、天祖山頂上着。久々にテントで一夜を過ごした。講習生は2人が一緒のテント、他5人はそれぞれ1人でツェルト泊。いい経験になったとの感想だった。

 翌日、朝5時30分出発。天祖山も登り甲斐のあるいい山だと思ったが、その先も良かった。芋ノ木ドッケ着9時40分、白岩山に向かう下りに踏み跡が不明瞭なところがあって、面白かった。白岩山まで標準タイムに準じていたが、その先が長く三峰神社着は、14時30分だった。49年ぶりの長沢背稜には大満足、楓を含む広葉樹が多く、紅葉がさぞかし素晴らしいだろうと思った。

 天祖山はもっと登られていい山だと思う。



参考タイム

東日原(1時間)〜登り口(3時間20分)〜天祖山(1時間)〜水松山アララギヤマ(1時間)〜長沢山(2時間)〜芋ノ木ドッケ(50分)〜白岩小屋(1時間40分)〜霧藻ヶ峰(1時間30分)〜三峰神社


 Copyrighit(C)2008-2013 Motoo-Iwasaki
許可無く、他ヘの転載、掲載を固くお断りします