岩 崎 元 郎 の


 

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北海道・雌阿寒岳と野中温泉

 北海道には日本百名山が九座ある。その内の一座が「阿寒岳」だ。これが問題。なにが問題かというと、阿寒岳という山はなく、雌阿寒岳1,499mと雄阿寒岳1,370.5mとがあって、どっちの山に登れば日本百名山の「阿寒岳」に登ったことになるのか。

 深田さんがこの地を訪れたときは、雌阿寒岳は火山活動が活発化していて登山禁止、両方に登るつもりが雄阿寒岳にしか登れなかった。「阿寒岳」の文章は、雄阿寒岳の登山紀行である。文中でも雄阿寒岳の方が、登り甲斐ある山だとして、だから、日本百名山として登るべきは「雄阿寒岳」という考え方と、阿寒岳の項の山名の下に明記されている標高が1,503m、1,499mとは4mの違いはあるが、この標高は雌阿寒岳をさしているとして、雌阿寒岳に登れば「阿寒岳」に登ったことになる、という考え方とがある。これがちょっとした問題なのだ。この件、話しが長くなるのでここでは問題提起に留めておきたい。

 国民宿舎野中温泉別館(рO156−29−7321)が大好きだ。「山の温泉宿」という雰囲気がなんともいいし、のんびりくつろげる空間がある。商売不熱心なオーナーの人柄かも知れない。野中温泉に泊まれば、登るべき山は雌阿寒岳になる。

 話しを蒸し返すつもりではないのだが、雄阿寒岳より雌阿寒岳の方が登り易い。「雌阿寒岳に登れば『阿寒岳』に登ったことになる」ので、野中温泉に泊まり雌阿寒岳に登る旅行会社の登山ツアーは多い。ぼくも何回かそのパターンで野中温泉に泊まっているが、着いて、泊まって、登って、下って、バタバタと飛行場に向かう、という山旅では野中温泉に泊まる甲斐がない。で、一度、二月にお邪魔して二連泊した。檜(だったかな?)の湯舟に一人で手足を伸ばし、雪に囲まれた野天風呂に首まで浸かって、大きな声で一人歌を歌った。野中温泉でのんびりくつろぐ・・・、やりたいと思っていたことができたので、大満足の三日間であった。雪の雌阿寒岳にも登りたかったが、一人なので断念した。

 さて、雌阿寒岳登山のご案内をしよう。

 宿を何時に出発するかは、帰りの飛行機の時間による。野中温泉側の登山口から山頂に立ち、オンネトーに下るお勧めコースは、歩行時間が標準タイムで3時間30分だが、休憩などを見込んで5時間を見込んでおく。宿から釧路空港までは、車で1時間30分。飛行場には1時間前に到着するように時間配分を考える。計7時間30分、釧路発17時30分の飛行機なら、登山開始は10時でOKという計算になる。せっかくの野中温泉、できるだけのんびり過ごして欲しいと思うのだ。

 登り始めは樹林の中だが、2合目でハイマツがでてくる。やがて視界も開け、足下に雌阿寒岳の宝石・オンネトーも見えてくる。急になった火山岩の斜面をジグザグに登っていくと火口壁の縁に立つ。縁に沿って登って行けば雌阿寒岳の頂上だ。下りはオンネトーをめざす。時間的・体力的に余裕があったら、阿寒富士に寄り道したい。オンネトーへ車を回せたら楽だ。宿まで歩くと約1時間、林道歩きになる。

 雌阿寒岳と野中温泉は、タイトルにピッタシの、チョーお勧めの山と温泉である。


                                                         2012.6.15 記





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