岩 崎 元 郎 の


 

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大峰・稲村ヶ岳と洞川温泉

 紀伊半島の大峰山脈は、熊野古道・奥駆けの山として知られている。奥駆けの山として、深田久弥さんは大峰山を日本百名山の一座に選ばれた。しかし、大峰山というのは熊野から吉野に連なる大峰山脈の総称であって、大峰山を山名とする個別の山はない。代表的な山を拾ってみよう。玉置山、笠捨山、行仙岳、釈迦ヶ岳、八経ヶ岳、弥山、行者還岳、大普賢岳、山上ヶ岳、大天井ヶ岳、青根ヶ峰と、熊野から吉野へ連なっている。日本百名山の百の頂きに立とうとする者は、最高峰である八経ヶ岳に立って善しとしている。

 さて、熊野古道である。山仲間の提案で、熊野古道を遠足倶楽部のテーマに取り上げた。中辺路、大雲取り小雲取り越え、小辺路、大辺路・長井坂、伊勢路・ツヅラト越え&馬越峠を歩いたぼくらは、新宮やまびこ会のご協力を得て、奥駆けをめざした。1回目は大斎原対岸の熊野川の岸辺からスタート、七越峰に立ち玉置山まで。2回目は玉置山から笠捨山、行仙岳を越え太古の辻まで、前鬼に下る。3回目は前鬼から太古の辻へ登り返し、釈迦ヶ岳、八経ヶ岳、大普賢岳と縦走して和佐又へ下った。

 4回目、山上ヶ岳を越え吉野を目指す最終回なのだが、山上ヶ岳は女人禁制の山。わが遠足倶楽部は圧倒的に女性会員が多い。4回目の計画は、男性は和佐又から大普賢岳に登り返して山上ヶ岳に向かう。この日は山上ヶ岳の宿坊に泊まった。女性陣は奥駆けコースからははずれているが、大峰山脈の中でも人気の高い稲村ヶ岳に登って、この日は洞川温泉に泊まり、翌日、山上ヶ岳から下ってくる男性陣と女人結界のある五番関で合流、吉野をめざすこととした。という思い出を前提にしての今回の「山と温泉」、「大峰・稲村ヶ岳と洞川温泉」なのである。

 「山上ヶ岳西南の支峰、稲村ヶ岳(大日山)の山名は、山麓の岩本谷方面から眺めると稲叢の形に似ていることからついたものだ。鋸歯状の岩峰に高山植物を咲かせ、大峰山脈でも人気の高い山として知られている」と、分県登山ガイド『奈良県の山』(山と渓谷社刊)に紹介されている。稲村ヶ岳には一度登ってみたいと思っていたし、洞川温泉には一浴したいと思ってはいたものの、東京からははるか彼方の山だ。奥駆け4回目の時は、ぼくは男性なので山上ヶ岳に登ってしまったので、洞川温泉に泊まるチャンスは逸していた。

 稲村ヶ岳・洞川温泉への想いが薄らいでいきかけた頃、大普賢岳までご一緒していたのに、ご本人の都合で4回目に参加できなかったHさんから、五番関から吉野まで歩きたいというリクエストがあった。チャンス到来、勇躍洞川温泉に向かったのであった。温泉は近年ボーリングで掘り当てたもので、温泉としての歴史は浅いが、女人禁制の修験の山、山上ヶ岳への登山口、大峰講の宿場としては歴史があり、雰囲気のある集落である。湧出温度は26度の単純温泉で、神経痛・リュウマチなどに効能がある、とか。

 東京からだとアプローチで一日費やす。1日目は洞川温泉まで。2日目に稲村ヶ岳に登り、下ってもう一泊し、3日目、五番関から吉野へ奥駆けのコースを辿る。充実の山旅であった。

                                                        2013.9.15 記





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