岩 崎 元 郎 の


 
   
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三瓶山と三瓶温泉
 
 
島根県か広島県か山口県か、どこの県かは定かではない。県内に日本百名山を持たない県の知事さんが、秘書に「なんでうちには日本百名山がないんだ?」と質問したという。ホントにあった話しかどうかも定かでないが、その話しを耳にしたとき、面白い話しだなと思った。

 自分の還暦を記念して自分なりの百名山を選び、その百山を1年間で登るというパフォーマンスを思い付いたとき、百山の選定に関して47都道府県から必ず1山入れるというルールを考えたのは、そんな話しを耳にしたことに起因している。日本中の、一人でも多くの人に山に登って欲しい、「ぼくの新日本百名山」はそのためのキッカケツクリになることも意図しているのだから、的を射たルールであったと思う。

 山口県からは東鳳翩山、広島県からは宮島・弥山を選んだ。さて、島根県からはどの山を選ぼうかと、分県登山ガイド『島根県の山』開くと、「自然林と草原が美しい島根を代表する名峰」として、三瓶山が紹介されていた。「ぼくの新日本百名山」、島根県から選ぶ1山は、三瓶山に決まりだ。

 三瓶山は島根を代表する名峰であるが、伯耆大山と並んで山陰を代表する名山である。『出雲国風土記』には、大山とともに島根半島を引っ張ってきてつなぎ止めた杭の役割を果たした山であることが、「国引き神話」に紹介されている。山の品格、歴史、個性は文句なし、標高が1,125.9m、日本百名山の付加的条件1,500m以上を満たさなかったので、百名山の選に漏れたのであろう。とはいえ、高い山の少ない中国山地にあっては、見上げて大きさを感じる存在感ある山である。

 東京から島根はさすがに遠い。ぼくらは飛行機で出雲に飛び、専用車で三瓶山に向かった。三瓶山は室内(むろのうち)と呼ばれる火口原をぐるりと囲む環状の山で、男三瓶山、女三瓶山、子三瓶山、孫三瓶山が頭をもたげている。東西南北から登路は数本ある。代表的なコースは定めの松から男三瓶山を目指すもので、ぼくらも定めの松で専用車から降り立った。西の原と呼ばれる広々した草原を少し辿ると谷をつめるコースと山頂を目指すコースとに二分する。急登を強いられる場面もあるが、高度差約660m、ゆっくり登っても3時間あれば男三瓶山の頂上に立つ。女三瓶山から孫三瓶山まで足を伸ばし、このときは三瓶温泉、国民宿舎さんべ荘に下山して一泊した。女三瓶山から北の原に下ってもいいし、東の原に下ってもいい。

 三瓶温泉の所在地は島根県大田市、三瓶山の南麓に位置する。三瓶山登山の絶好の基地になる。含塩化土類食塩泉で鉄分を含むので、お湯は赤茶けた色をしている。昔は炭酸泉も湧出していて、ラムネも製造していたそうだが、雪崩で源泉が埋没してしまったそうだ。

 ぼくらが泊まったさんべ荘は国民宿舎だが、温泉ホテルのようにきれいで優雅な宿舎だった。さんべ荘を早朝に出て孫三瓶山に登り、時計回りに子三瓶山、男三瓶山、女三瓶山、孫三瓶山へとぐるり一周を歩いて、三瓶温泉に下るという登山を一度やってみたいと考えている。三瓶山を一周、下山して三瓶温泉に飛び込んだら、さぞかしいい気分だろう。

                                                         2014.4.15 記




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