岩 崎 元 郎 の


 
   
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北八・天狗岳と周辺の温泉

 天狗岳は主稜線上に標高2,640mの頭を持ち上げる東天狗と、東天狗から西に派生する尾根上に2,645.8mの三角点を置く西天狗の双耳峰、北八ヶ岳の盟主といっていい。天狗岳がぼくのお気に入りの一山であるのは、東西に温泉を控えさしているピークであるからだ。

 ぼくが気に入っているもう一つの理由は、いくつものコース採りができること。初心者にプランニングの課題を出すのに絶好の山域である。茅野側から入山するか、佐久側から入山するか、そこからプランニングをスタートさせなければならない。

 ともあれ、最もスタンダードな天狗岳の登り方は、茅野からバスで渋ノ湯に入り、黒百合平に上がって一泊。黒百合ヒュッテに泊まってもいいし、テント泊もできる。翌日天狗岳を往復、渋ノ湯に下山するというコース採りだ。ここで黒百合平に戻らず、西天狗から唐沢鉱泉へと下れば、プラン内容はワンランクアップ。

 東天狗から中山峠に戻らず、夏沢峠を経て本沢温泉に下ればプラン内容はさらにアップする。ぼくのお勧めは、前夜稲子湯に泊まり、翌朝みどり池を経由して中山峠に立ち、東天狗に登頂、西天狗に立ったら唐沢鉱泉に下り、八方台を越えて渋・辰野館に登山靴を脱ぐというコースプラン。

 古稀を過ぎ、時間はたっぷりあるのだから、あくせく山を歩き、下って温泉で汗を流し、特急に飛び乗って家路を急ぐ、なあんていう山行からは卒業しよう。のんびり午後のあずさで新宿を発って、この日は稲子湯泊まり。旨いモンを食い、温泉で英気を養って翌日は黒百合ヒュッテまで。しらびそ小屋まで3時間、中山峠まで2時間、5分でヒュッテの建つ黒百合平だ。その翌日は中山峠まで戻って、東天狗のてっぺんまで1時間半、西天狗へ20分、唐沢鉱泉まで下り2時間、八方台を越えて渋辰野館まで1時間、この日の行程は約5時間。信玄の薬湯で汗を流して、この日のうちに帰宅できるがそんなバタバタからは卒業したんだから渋辰野館に泊まることにする。翌朝、朝湯につかり、ゆっくり朝食を済ませてから家路につく。これこそが、のんびりゆったり、大人の山旅だ。

 稲子湯は、小海線小海駅から雪のない季節にはバスが出ている。泉質は二酸化炭素硫黄冷鉱泉、胃腸病や神経痛に効能がある。本沢温泉は、林道は延びているが一般車は入れないので歩いていくしかない。林道歩きは単調なので、しらびそ小屋経由で山道を歩く方が楽しい。泉質は硫黄塩泉、冷泉ではなく50度を超える温泉だ。噂の露天風呂は本沢温泉の建物から徒歩10分、脱衣場とかない野性味満点の露天風呂、頭上を通る登山道からも丸見えだ。ここで泊まったら、往路を引き返すのも芸がないので、夏沢峠越えをきめよう。下れば夏沢鉱泉がある。

 唐沢鉱泉は、茅野駅からタクシー利用。二酸化炭素冷鉱泉で高血圧・動脈硬化・神経痛に効能がある。渋辰野館は茅野駅から渋温泉行きのバスに乗れば、辰野館前で停車する。単純酸性冷鉱泉で、胃腸病・リュウマチ・皮膚炎などに効能がある。ぼくの山行で、渋ノ湯に下れば必ず辰野館に立ち寄って、信玄の薬湯にザブンと浸かる。21度の冷泉、その冷たさが心地いい。

                                                       2017.2.15 記





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