岩 崎 元 郎 の


 
   
 山と温泉トップページへ戻る   次のページへ 

韓国岳とえびの高原温泉

 韓国岳は、宮崎県と鹿児島県の県境に連なる霧島山の最高峰、1700mである。日本百名山の一座とされている。深田久弥さんの『日本百名山』の項目では、「霧島山」になっている。霧島山というのは連山の総称で、個別のピークには韓国岳、獅子戸岳、新燃岳、中岳、高千穂峰と連なっている。連山の最高峰は標高1700mの韓国岳、2番目が1574mの高千穂峰になる。

 日本百名山の登頂が登山者の目標になるなどとは、久弥さんは夢にも思わなかったに違いない。目次に並ぶ百の山名は総称だったり、個別のピーク名だったりする。百名山を追いかける側にとって、総称の山は登るに困ったに違いない。例えば霧島山、前述のように総称であって「霧島山」と称するピークはない。いつだれが定めたのか分からないが、総称の山は、連山なり山群なりの最高峰に立つことで、その山に登ったこととされるに至った。霧島山は韓国岳に立つことで、百名山の霧島山に登ったとチェックする。八ヶ岳の場合は赤岳であり、穂高岳の場合は奥穂高岳である。

 阿寒岳はもっと困る、阿寒岳と称するピークはない。あるのは雌阿寒岳と雄阿寒岳、この2山は別々の山で“阿寒岳”が山群の総称というのにも当たらない。日本百名山収集家(笑)は、雌阿寒岳に立って善しとしているようだ。『日本百名山』には「阿寒岳」と項目名があり、その下に1499mと標高が記されている。この数字は雌阿寒岳を指している。そのためか「山と高原地図」上でも、雌阿寒岳と記された山名の上に「百名山」という文字が重ねられている。ここに雌阿寒岳に立って善しの理由があるようだ。

 しかし、深田さんは噴火の危険で登山禁止になっていた雌阿寒岳には登れず、登られたのは雄阿寒岳であった。日本百名山の百山はすべて自分が登った山とあとがきに書かれているので、ここは雄阿寒岳でなければおかしいと論じる方もいる。ぼく自身は雌雄両阿寒岳に登っておいた。

 閑話休題、韓国岳に話しを戻そう。代表的な登山口が“えびの高原”である。硫黄山の横から韓国岳の北西斜面をまっすぐ登りつめるのが最短時間で登れる一般コースであった。7月現在、硫黄山噴火のためこのコースは登山禁止になっている。2017年5月下旬、韓国岳をめざした我々はえびの高原バス停から500mほど南へバス道を戻り、大浪池にむかう山道に入った。山と高原地図上には「あまり使われていないコース」と注意書きがあるが、一般コースの登山禁止が続く間はこのコースから登るしかあるまい。よく踏まれて歩き易い。避難小屋手前まで約1時間、そこから急登1時間で韓国岳頂上に立つ。

 霧島山は火山だから、周辺には数多くの温泉が点在する。鹿児島空港から車でえびの高原にむかうと、次々に温泉が登場する。ぼくのご贔屓は“硫黄谷温泉霧島ホテル”、登りつめるとえびの高原温泉。泉質は炭酸水素塩泉、リュウマチ性疾患、運動機能障害、更年期障害、動脈硬化症などに効能があるようだ。宿は“国民宿舎えびの高原荘”、目の前が登山口だから登山禁止になる前はここに泊まり、早朝出発して韓国岳から高千穂峰まで縦走したこともなつかしい思い出になっている。

                                                        2017.7.15 記





 Copyrighit(C)2008-2017 Motoo-Iwasaki
許可無く、他ヘの転載、掲載を固くお断りします